Vintage IBM Keypunch Card Printing Plate。 左側の円筒形の物体がソレ。右側のパンチカードは、参考品。このプレートで印刷したカードでは無い。 →拡大 |
■Vintage IBM Keypunch Card Printing Plate (2014/06/20) 波多利朗のFunkyGoodsでは、これまでにもいろいろな珍品を取り上げてきた。かつて紹介したカルト度、レア度が高いモノのうち、独断で選んだベスト5は、以下のような感じになる。
・The Microwriter:Vintage ergonomic keyboard (2005/03/08) どれも甲乙付けがたい珍品だ。The Microwriterなんか、日本で他に持ってるヒトが居るのだろうか?いや、きっと居るに違いない。なにしろここは、カルトとヲタク文化の国だからな・・・ それはさておき、今回取り上げる「Vintage IBM Keypunch Card Printing Plate」は、上記ベスト5をも凌駕する逸品だと信じている。ここまで来ると、もはや個人のコレクションの範疇を逸脱し、博物館レベルになるのではと考えているほどだ。 どのようなモノなのかを一言で説明すると、その昔メインフレームで用いていたパンチカードを印刷するための「版下」である。円筒形をした金属製のプレートで、パンチカードに印字する文字が刻まれている。かなり珍しいハズだ。いや、こんなモンがまだ残ってることに驚きを禁じ得ない。 このブツは、ヒマ潰しでebayを徘徊していた時に発見した。価格は意外と安く、日本円で2,100円といったところ。以下に、出品者が記載した商品の説明文を添付しておく。 It’s been reported that single pages of the original Bibles printed by the Gutenberg press have been selling for US$20,000 each. Imagine what the actual printing plates would be worth... Before the personal computer came into widespread use, people were dependent on huge centralized computers to process their data. Keypunch cards were widely used as the “floppy disk” of the pre-PC generation, despite the many problems associated with them, because they were the only way to pass reams of data to waiting computers. Keypunch cards therefore rightly belong to the realm of PC pre-history. In recognition of this, the IBM museum in New York State has some of the plates on display. In Canada, all keypunch cards were printed by a company called Control Data under licence by IBM, who used specially engraved cylinders to print the cards. After the cylinders useful life had passed, they were stored in a small room accessible only by a ladder. And then they were forgotten for 25 years. In the mid-1990's, while talking to the successor company to Control Data, I noticed some intricate cylinders sitting on a traffic manager’s desk and asked him about them. He told me the story of the cylinders and mentioned that they were quite a conversation piece - everyone asked about them. He remarked that the company had just discovered they still had the plates around and were preparing to dispose of them. I convinced him to sell them to me. As a result, I have the entire set of master printing plates for the keypunch cards that were such an essential part in first bringing the power of the computer to the mass market. These plates were made from an aluminum-magnesium alloy and then individually etched in England using a photo-engraving process. Originally they cost over $300.00 each ( in 1965 dollars). The plates were chrome-plated to add strength. In some of the cases, the plates were then stamped with the platemaker's initial, as shown in the 5th and 7th picture below Yours may NOT have the stamp on it because those are largely sold now. Some of the plates will be in English, some in French and some in both languages. These plates print the standard 80 column format. Most will have the original ink (now dried) used in the printing process in the nooks and crannies of the plate. Many of the plates will be unique or at least belong to a small number of that particular plate design and have the plate-maker’s stamp on them. All of the plates will resemble the pictures herein, although yours will not be identical to the one shown. Several computer museums in North America and Switzerland have already made these plates part of their display. This is an incredible opportunity to own a piece of computer history from the dawn of the information age.
要約するとこうだ。 昔々のことである。コンピュータはメインフレームという巨大なシロモノで、それにデータを入力するためには「パンチカード」というものが、今で言うところのフロッピーディスクの代わりに使用されていた。パンチカードは、PCの歴史において前史に相当する部分の遺産である。ニューヨーク州にあるIBM博物館では、このパンチカードを印刷するための版下プレートが展示されている。 カナダでは、IBMの下でライセンスを受けていたコントロールデータ社が一括して、このパンチカードを印刷していた。コントロールデータ社では版下として、円筒形の表面に刻印を施したシリンダー状のものを使用していた。耐用年数が過ぎた版下は、倉庫に保管され、そのまま25年間、忘却の彼方へと去っていった・・・ 時は1990年代中盤の頃である。私がコントロールデータ社の後継会社の人間と話していた時に、たまたまこの版下シリンダーの話しが出た。彼等が言うには、ちょうど倉庫を整理して、これらの遺産を処分してしまおうと考えていた所だとのこと!私はすかさず彼等に、それらの文化財を買いうけることを申し出た。そんなワケで、私はパンチカード印刷用の版下全てをコレクションとして持っている。 これらのプレート、はアルミニウム・マグネシウム合金製で、写真製版プロセスを使用して、イングランドでエッチング処理して製造された。製造には、1965年当時の価格で300.00ドル以上のコストがかかっていた。プレートは強度を得るために、クロムメッキが施されていた。またこれらのプレートには、オフセット製版機のイニシャルが残っている。このプレートは、IBMの標準フォーマットであった80カラム・フォーマットのパンチカードを印刷するためのものである。 北アメリカとスイスにある数個所のコンピューター博物館では、既にこのプレートを展示している。このプレートは、コンピューター史における情報化時代の夜明けを象徴する貴重なモノである。
|
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plateとパンチカード。 カードは実際にこのプレートで印刷されたものとは異なるが、こんな感じのものが印刷されたということで、参考に置いたもの。 →拡大 |
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plate。 円筒形のシリンダー状で、表面に刻印が施してある。材質はアルミニウムとマグネシウムの合金。 →拡大 |
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plate。 1965年製造だから、今から約半世紀近く前の製品になるが、保存状態は極めて良い。説明文によると、コントロールデータ社で使用され、耐用年数が経過したものだそうだから、印刷で版面はそうとうへたっているハズである。 →拡大 |
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plateのアップ。 どうやらこの版下は、会社の人事部が使用する雇用人管理システムのパンチカードを印刷するために使われていたもののようだ。版面に「雇用番号」、「氏名」、「給料」、「税金」、「イニシャル」等の文字が読める。なお、シリンダーの製造は1965年12月12日。 →拡大 |
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plateのアップ。 シリンダー下部に「IDP 237」という数字が刻印されている。 →拡大 |
Vintage IBM Keypunch Card Printing Plateのアップ。 各カラムには、「CARD CODE 2」、「CARD CODE 4」、「CARD CODE 5」、「CARD CODE 6」、「CARD CODE 7」といった刻印が見える。 →拡大 |
Copyright (C) Studio Pooh & Catty 1996-2014 |