パンチカード #1 当時モンのパンチカード。このサンプルでは、表示可能な英数字と記号全てが記載されている。カード最上部に印刷されている文字が、パンチされている内容となっている。英字は大文字のみって所がいかにも「COBOL」してる。 →高解像度JPEG |
■パンチカード (2010/11/06) 筆者が大学生だった頃、構内には計算機センターなるものがあった。当時、NECからPC-8001初代機が発売されていたものの、一人一台パソコンを持つ、なんてことは、コスト的にかなりの難関。ましてや、ハードディスクはおろかフロッピーディスクといった記憶装置は高嶺の花で、学生なんかにゃとても手が出ない。この頃はまだパソコンという名称も無く、マイコンと呼ばれていたのだが、ほとんどの人が持っていないので、こういった人たちを総称したナイコンという名称すらあった。筆者は理工系だったため、学科の中にFORTRANによる計算機演習なる学科が有ったのだが、皆でゾロゾロと計算機センターへ出向き、端末でプログラムを入力して汎用大型計算機で実行させていた。リソースが限られていたため、CPUが各人のプログラム実行に費やした時間で仮想的に課金され、一定時間をオーバーすると、超過申請しなくては続けて使えなかったものだ。それでも、ようやくパンチカードのお世話にはならずに使えるようになった時代ではあった。 研究室によっては、かなりリッチなマシンを持っていたところもあった。DECのPDP-11などはその代表であろう。画像工学を研究しているところには、当時最新鋭ミニコンであった、データゼネラル社のスーパーノバ(SuperNova )が置かれていて、羨望の眼差しを浴びていた。ハードディスクはと言えば、いわゆる「脱水槽」タイプで、巨大なカートリッジを洗濯機のような筐体に入れてブン回すヤツ。これで20MB程度だった。。。
前置きが長くなったが、パンチカードのハナシである。ここに掲載したものは、1960年代のCOBOL演習に使われた実物だ。理工系だからCOBOLは全く触ったことが無かったので、自宅になぜこのような物が残っていたのかは、今となっては永遠の謎である。 |
IBM 80欄パンチカードのフォーマット。(Wikiより抜粋) フォーマット形式の説明としては、この図が判りやすい。カード1枚には80文字までが記載できる。文字種は数字、英字(大文字)、特殊文字。縦方向には0〜9に加えてX-Y-0ゾーン(別称12-11-0ゾーン)と呼ばれる領域があり、ここで文字を指定していた。 |
パンチカードのタイプ例。このカードには大文字で「KAYAMA YUZO」ってデータが入っている。何か時代を感じさせるねぇ。。。 →高解像度JPEG |
こちらのパンチカードは、実際のCOBOLの命令を入力したもの。COBOL特有の「大文字」、「GOTO文」が見える。 →高解像度JPEG |
ここに掲載したパンチカードは、どれも「IBM 80欄カード:IBM 80-column card」と呼ばれるものだ。その名の通り、80桁の英数記号を入力することができた。詳細はここを参照のこと。パンチカードには、この他にも「IBMの96欄カード」や「Univacの90欄カード」といったバリエーションが有った。カードの表記方法は、上述したWikiの説明画像が全てを表しており、判りやすい。パンチカードは、コンピュータへの入力用媒体として利用されることが多かった。但し、カードの束を落としてしまうと並べ直すのがやっかいだったというハナシは有名。Wikiにも記載されている通り、カードの束の上部に、再度並べ直す際に便利なように、斜めの線を記入する、なんて方法も、今となっては懐かしい。 筆者には無縁であったCOBOLについて、いろいろ言われていることをば。
・10年後には無くなると言われ続けて、今に至っている。 |
ついでに、自宅に残っていた紙テープ「穿孔テープ」も載っけておこう。って、こんなモンを使ったことがあるヒトは、相当の年寄りだね、、、1列に8個の穴を配置し、1バイトを表示する形式。昔のSFやマンガで、コンピュータからニョロニョロと出力されれくる紙テープを博士が手に取って見ながら、「こりゃータイヘンなことになった!」とか呟いていた、アレである。筆者がいた大学には、「紙テープの巻き戻し器」なるものもあり、読み込んだリールを逆回しに巻き取ってアタマ出ししたものだった。 →高解像度JPEG |
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