3.5インチHDDを外付けUSBディスクとして使用するためのケース。メーカーはNOVAC、BF-2013。一応台湾製。製造年は一切不明。しかし、基板上で使用している石のリリース時期から、2001年頃の製品と思われる。


■不思議な捺印の石 (2009/11/06)

 柴隠上人 稀瑠冥閭守 (Kerberos)氏が、外付けUSB HDDが壊れたと言って持ってきた。バックアップ用としてメインPCにUSBで接続して使っていたモノらしい。電源を入れるとスピンドルは回転するのだが、HDDの内部からヘッドが「カッコン、カッコン」と規則的に動く音がするだけで、OSからは全く認識できない。極めて良く有るケースである。どうやらHDD本体が完全に破壊されてしまったようなのだ。

 この外付けUSB HDDは、ケースだけ販売している製品を購入してきて、自分でHDDを組み込むタイプのものだ。ケースは台湾製で、かなり昔に格安で購入したと言う。ケースの中でやってることと言えば極めて簡単で、ATAをUSBに変換している基板が一枚搭載されているのに過ぎない。問題は、今回の故障の原因が、ただ単にHDDに寿命が来て逝ってしまったのか?はたまたこのケースのコントローラー基板が逝ったためにHDDが破壊したのかが、判然としない所である。USB変換の基板は極めて単純な作りであること、またHDDから発生する異音から想定して、まず100%、HDDの寿命であることは明かなのではあるが、氏は「気味が悪いので、もう使わないから捨ててくれ」と言い置いて、ブツを勝手に押しつけてきた。

 まあ、筆者も古物商やってますから、再生できるものは再生するけど、これはさすがにちょっと危険である。万が一、USB変換基板が異常だった場合、うかつにHDDをつなげて、また「カッコン、カッコン」になってしまったら、外付けHDD用ケースじゃなくて、外付けHDD破壊ツールになってしまうからだ。

 と、そんなワケで死蔵と相成ったのであるが、一応内部がどのような構成になっているのかを仔細に調査してみた。一個、不思議なデバイスがある。なんですか?この捺印。筆者も昔はデバイス畑を歩いてきた人間なので、並の捺印には驚かないが、こーゆー捺印の石は初めて見たよ。一応型番は「D9065GC-001」と書かれており、外形は一般的な120PinのQFPGなのだが。。。

 で、例によってググってみた所、この石は「ワークビット」の「USAT-2」という製品で、2001年4月に発売された、ATA/ATAPIデバイスをUSB 2.0に変換するための、プロトコル変換用LSIだということが判った。内部には、60MHzで駆動する32ビットのRISCプロセッサを搭載しているそうである。詳細はこちら。ここの製品は、どの石にもこの「優」という香ばしい捺印が入っているみたいである。。。久しぶりにスゴイものを見てしまったような気がしたが、案外この業界では有名なのかも知れないね・・・

外付けHDDケースの内部。極めて簡単な構造で、ATA/ATAPI I/Fを基板一枚でUSB 2.0に変換しているだけ、というシロモノだ。
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メインとなるATA/ATAPI − USB 2.0 変換LSI。この捺印に注目!!!「優」なる捺印は、初めて見ましたです、ハイ。
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