「フェラーリの鷹」VHSテープ ケース 監督はステルビオ・マッシ。1976年イタリア映画(英語版)。ビスタサイズ。INTRA FILMSの製作。原題は「HIGHWAY RACER」だが、なぜか「フェラーリの鷹」という邦題が付いてしまった・・・ |
■フェラーリの鷹 (2005/12/18) VHSビデオテープを引っ張り出してきて、懐かしい作品「フェラーリの鷹」を見る。この1976年製作の男気溢れるイタリア映画は、DVDはおろかLDにすらなっていない、いわゆる「お蔵映画」の極北である。場末の寂れたレンタルビデオ店でも、この作品を見かけることは希と言えよう。この映画が公開された時、筆者は学生であった。ちょうどスーパーカー華やかなりし頃であり、邦題の「フェラーリの鷹」というのも、「サーキットの狼」を意識して付けられているのがミエミエだ(因みに原題は「Highway Racer」)。この映画、実はツッコミ所満載の、まるで漫画みたいな作品で、その単純明快なストーリーと登場人物がマジでおマヌをやっている所など、今見るとまるで「魁!!クロマティ高校」のような感じを受ける! _| ̄|○
まず、ストーリー展開がベタである。強盗団を追う主人公の警官が、元レーサーの上司にドライビング・テクニックを鬼の特訓で叩き込まれる所など、スポコンそのもの。情報を入手すべく、主人公が敵強盗団に接触する場面など、まるで漫画。このシーンは特に有名で、強盗団のドライバーとドライビングテクニックを競うため挑戦するのだが、座席のリクライニングを倒して、寝た姿勢のまま運転し、先にゴールした方が勝ちという、まるで暴走族のタイマンみたいな方法なのである。
車好きには、古いヨーロッパ車が続々と登場するのがたまらない。イタリアの市内では、チンクェチェントが、それこそどのカットでも必ず「エキストラ」として登場するし、イタリア警察が使っているパトカーは、ジュリアスーパーやアルフェッタである。当然、主人公が上司から譲り受けるフェラーリは、当然真っ赤なディーノ辺りを想定してしまうのだが、渋い濃紺の250GTE(1962年製?)で、こちらも期待を見事に外してくれる(因みに、このクルマは、現在八重洲出版から出ている旧車専門カルト雑誌「Old-timer」上にて、レストア連載記事が掲載中だったりする)。極めつけは強盗団が乗る車で、ナント!シトロエンDS。。。しかも、ど派手なボディカラーのシロモノだ。シトロエンDSが、なぜフェラーリと同等にタメを張れるのか?ここまで来るとシュールですらある。
見所は、CG皆無の時代に、全てスタントシーンで実写したカーアクションであろう。ラスト、強盗団首領と、採石場で勝負を挑むシーンなど、良く撮ったと感心してしまう。一度逮捕寸前にまで追い込んでおいた強盗団首領を、別途「車」で勝負しようと言って見逃してしまう主人公や、それを真に受けて勝負しに戻ってくる首領など、「ありえねぇ〜!」と叫んでしまうシーン満載だ。今見ると、男気は溢れているものの、実に長閑な映画なのであった・・・
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「フェラーリの鷹」の1シーンより。 主人公がサーキットコースで、運転の特訓を受けているところ。登場するクルマは、250GTE。V12気筒エンジンを搭載した名車である。 |
「フェラーリの鷹」に登場するシトロエンDS あろうことかフェラーリ250GTEと対等に渡り合うクルマが、このシトロエンDS。宙を飛ぶわ片輪走行するわブッチ切るわで、大活躍である。シトロエンDSを駆る強盗団なんて、世界広しと言えども、この映画くらいのものであろう・・・(あ!そう言えばファントマ電光石火があった!あの映画に出てくるDSは、確か翼が生えて空飛んでたよなぁ・・・)。 |
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