ZIDA TX810EU (2002)

写真1:ZIDA TX810EU MB 表面

写真2:ZIDA TX810EU MB 裏面

■台湾のマザーボードメーカー、ZIDA 社製 intel 82810E チップセット搭載 
 のAT フォームファクタマザーボード、TX810EU。2002年2月4日製造。   
■AT フォームファクタマザーボードでは、2002年8月現在最新の仕様。   
 CPU 設定は、フルジャンパレス設計で自動認識。            
■チップセットに intel 82810E を使用。Celeron FC-PGA2(Tualatin コア)
 に対応した非常に珍しいマザーボード。現行製品として Tualatin コアに対
 応した AT マザーボードは、これ1種類のみ。             
■intel 82810E チップセットは、既に開発されていた 810 チップセットをベ
 ースにして、FSB が 133MHz の Pentium-III にも対応できるように改良し 
 たバージョンである。FW82810E (Graphics and Memory Controller Hub : 
 GMCH)チップにのみ、変更改良が加えられている。           
■オンボードでレガシー I/O ポートはもとより、Sound、GAME、USB、VGA ポ 
 ートを搭載。音源やビデオ性能にこだわらなければ、CPU とメモリを実装す
 すだけで、即使用可能となる。                    
■ビデオカードはオンボード以外に PCI スロットに装着したカードも使用可 
 能。この場合、BIOS でシステム起動時にどちらのビデオ機能を優先するか 
 を選択する。マルチモニタ対応の OS であれば、拡張スロットとオンボード
 の両方のビデオ機能を使用して、マルチ画面構成を構築できる。     
■サウンド機能は BIOS で ON/OFF 設定が可能。オンボードの音源を使用した
 くない場合には、PCI スロットに装着した音源カードを使用することができ
 る。                                
■IDE は Ultra DMA 33/66 に対応。FSB は 66/100/133 MHz に設定可能。  
■ボードのサイズは 220mm × 170mm のベビー AT フォームファクタ。   
■本マザーボードは impress の AKIBA PC Hotline! 2002年1月26日号にて紹 
 介されている。                           
 「ATフォームファクタ初のTualatin対応マザーがTOMATOブランドから登場 」
 http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020126/etc_tx810eu.html

■以下にボードのスペックを示す。                   
項 目
内 容
CPU
Intel Celeron FC-PGA
Intel Pentium III FC-PGA
Intel Tualatin Core Celeron FC-PGA2
(Socket 370 搭載)
CPU Clock 200 MHz - 2.4 GHz(Ratio:×3〜×16)
Chip Set
・82810E(Graphics and Memory Controller Hub : GMCH)
・82801AA(FirmWare Hub)
Momory
168 Pin DIMM スロット2個搭載
最高512MBまで拡張可能
Cache Tualatin Core Celeron 使用時で 256KB をCPU 内部に搭載
Bus PCI バススロット3本搭載
Super I/O
COM1 , COM2 , LPT1 , FDD , Primary-IDE , Secondary-IDE
PS/2 Mouse, USB1 , USB2 , IrDA , Sound(AC97)
VGA(2D & 3D)
BIOS Phoenix BIOS

写真3:Socket370 周辺部

写真4:intel FW82810E チップセット

写真5:intel FW82801AA チップセット

写真6:サウンドチップ(左)とI/O制御チップ(右)

写真7:各種インターフェス用ヘッダピン

写真8:キーボードコネクタとAT電源コネクタ

写真9:クロック制御チップ

写真10:元祖 IBM PC/AT に組み込んだ TX-810EU


■コメント                              
筆者は未だに本家IBM PC/ATのオリジナルケースを使用しています。
その理由は、資源リサイクルの一環であることはもちろんですが、現代のパソ
コンの原器となったPC/ATに敬意を表するためでもあります。ところが、
最近になりATXフォームファクタのマザーボードがほぼ100%浸透するに
伴い、この歴史的なPCケースに搭載できるマザーボードが無くなってきまし
た。そういった理由から、このケースにはもはや時代遅れとなったSocke
t7のAMD K6−2(500MHz)CPUを搭載したASUSTekの
P5A−Bマザーボードを使用してきたのですが、このほどなんと!ベビーA
TフォームファクタでTualatinコアのCeleronが使用できるマ
ザーボードが発売となり、さっそく入れ替えることにしました。      

ZIDA社は台湾のマザーボードメーカーで、TOMATOブランドのボード
をいくつか供給しているところです。ASUSTekやGIGAByteと比
較すると知名度は今ひとつといったところですが、こういったニッチ商品を提
供してくれるので非常に助かります。TX810EUマザーボードは、チップ
セットにIntelの82810Eを搭載し、音源、ビデオ等もオンボードで
供給するオールインワンマザーボードです。チップセットの集積化に伴い、サ
イズも極めてコンパクトに収まっています。筆者はこのマザーボードに、FC
−PGA2のCeleron 1.2GHzを搭載しました。       

オンボードのビデオやサウンド機能は、所詮オンボードですので、それほど高
性能は望めません。このボードではこういったこだわりのあるユーザに対応す
るために、オンボードビデオとサウンドを無くす機能をBIOSで提供してい
ます。ビデオの場合、PCIスロットにビデオカードが搭載されているかを自
動認識します。システム立ち上げ時に、オンボードもしくは拡張スロットの、
どちらのビデオを優先するのかは、BIOSレベルで設定できます。立ち上げ
時に拡張スロットのビデオを選択し、かつオンボードのビデオ機能も有効にし
ておけば、WindowsXPのようなマルチモニタ対応のOSでは、2台の
ディスプレイを同時に使用することが可能となります。          

写真で見るとCeleron CPUの冷却ファンが非常に巨大に見えますが
それほどこのマザーボードはコンパクトにまとまっています。バックアップ用
のリチウム電池を立てに実装するところなど、省スペースに貢献する工夫も見
られます。ただ一つの欠点としては、AGPスロットを搭載していないことが
あげられます。従って、拡張スロットに搭載するビデオカードは、今となって
は旧式となってしまったPCIカードしか選択することができません。   
筆者はASUSTekのPCIビデオカード、V7100 Proを使用して
います。このビデオカードはPCIインターフェスながら、GeForce2
MXを搭載しているので、そこそこのスピードを得ています。サウンドカード
には、バルクのVibra128(PCI)を使用しています。      

TX810シリーズには、廉価版のTX810BUというマザーボードも存在
します。こちらはFSBが100MHzまでとなっており、チップセットには
Intelの82810が使用されています。また、温度測定機能とファンの
回転数モニタ機能がオプションになっている等の点が異なっています。   

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