熱海サボテン公園ロープウェイ跡(2002/08、2003/04、09) |
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ここに掲載した「熱海サボテン公園ロープウェイ跡」は、実はもう20年以上前から気になっていた場所だった。伊豆スカイラインの熱海峠料金所の手前、玄岳と呼ばれるI.C.付近に「玄岳ドライブイン」というコンクリート製の奇妙な建築物がある。一見、廃墟のようにも見えるこの建物は現役のドライブインとして営業している。ただ、普通のドライブインとはかなり様相が異なる。建物裏側には、使われなくなったロープウェイの発着場の跡が放置されているのだ。 Google Maps上での位置は、下記の通り。 熱海サボテン公園ロープウェイ跡 玄岳ドライブインの海側の眺望はなかなかのもので、眼下に熱海港と熱海市街を見渡すことができる。このロープウェイが、かつてどこに通じていたのか?そもそも営業していたことはあるのか?といったことは、長い間疑問となっていた。通常、この手の目立つ廃構造物であれば、WEB上のどこかに情報が掲載されていて然るべきである。にもかかわらず、なぜかこのロープウェイに関する記載はほとんど見受けられず、謎として残っていた。 今回、WEB調査の結果、どうやらこのロープウェイは滋賀県に本社を置く「安全索道株式会社」が、昭和41年に敷設したものであることが判明。同社のHPにも、「企業情報 沿革」にこのロープウェイのことが記載されているのを発見した。さらに同社に熱海サボテン公園ロープウェイ」についての情報が残されていないかどうかを問い合わせしてみたところ、大変丁重なご返事と共に、貴重な資料を送付して頂いた。詳細については、別項「熱海サボテン公園ロープウェイの詳細」を参照して頂きたい。
【参考】 |
写真2.熱海サボテン公園ロープウェイ発着場跡 (2003/04) あいにくの曇り空で霧も若干出ているため、暗く写ってしまっているが、現在の玄岳ドライブインの中に残るロープウェイ発着場の跡である。良く見るとホームは手前に1つ、奥に1つあり、「ヨ」の字のようになっているのがわかる。建物の外側から撮影したものだが、地面まではかなりの高さがあり、手すり等が無いため若干危険。ゴンドラ本体は保存されていない。 |
写真3.熱海サボテン公園ロープウェイ発着場跡 (2002/08) 写真2と同じ場所を、天気の良い日に撮影したもの。晴れていればこのように大変見晴らしの良い場所である。右手はるか奥には熱海市内と港が見える。発着ホームには、プレハブ倉庫以外には何も無い。 |
写真4.玄岳から熱海市街を望む (2002/08) ロープウェイ発着場より、熱海市街を望んだところ。左手に発着場のコンクリートの手すりが見える。ここのドライブインには、捨て猫が非常に多く、この周囲にも何匹かたむろしているのが見受けられた。 |
写真5.熱海市街を望遠で撮影 (2002/08) かつてロープウェイは、この写真のちょうど中央付近に見える高いビルの左側付近まで延びていたはずである。熱海側の駅である熱海サボテン公園は既に無く、ホテルになっているようだ。数年前(10年くらい前か?)には、ロープウェイの鉄塔が見受けられたが、いつのまにか撤去されてしまったようで、現在はもう無い。 |
写真6.玄岳ドライブイン側面 (2003/09) 玄岳ドライブインの側面には、2階部分に通じるスロープが設置されている。ロープウェイの制御室等は2階にあったものと思われる。向かって右側には、発着ホームが見える。屋上の帽子のように見える塔屋から、ワイヤーが出ているのが見える。かつてロープウェイの索道を支えていたもののようだ。 |
写真7.索道支持ワイヤの跡 (2003/09) 写真6に示した索道支持用ワイヤの跡。かなり太いスチールワイヤが4本、しっかりと建物本体に固定されている様子がわかる。 |
写真8.索道用プーリーの跡 (2003/09) 建物反対側より発着場上部の屋根を見上げたところ。庇が切れている部分に、ワイヤを支持するための大きなプーリーが残されていた。 |
写真9.反対側より見た発着場跡 (2003/09) 玄岳ドライブインの裏側から見た発着場跡。こちら側からは、発着場の高いコンクリート壁が見える以外、何も無い。乗降客のアプローチは、建物の2階から行っていた。 |
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