1995年01月号:波多 利朗のFunky Goods
SyQuest Driveを使用したマシンの製作<その1>



 波多 利朗のFunky Goods連載の第10回目。SyQuest Driveを使用したマシンの製作<その1>である。SyQuest Driveは、リムーバブルハードディスクの一種で、アメリカではバックアップデバイスとして良く利用されていたが、日本での知名度は今一つであった。この特集では、リムーバブルハードディスクを使用して、マルチOSマシンを構築することを目標とした。今回使用したSyQuest Driveは、秋葉原のTOMというショップで69,800円で購入したものである。ディスク容量は270MBである。

 製作したマシンのスペックであるが、CPUは80486DX4-100MHz、マザーボードは、CMC社製VLバスマザーボード、SCSIカードは、Adaptec社のAHA-1542CF、ビデオカードは、I/Oデータ機器のACCELA Major(CL-GD5434)といったものである。VLバスを使用したところなど、時代を感じさせる。ビデオカードにACCELAを使用したのは、当時Unix等の対応が最も進んでいたグラフィックチップが、シーラスロジック社の製品であったためである。今回は、マシンの組み立てまでを解説している。




 本誌の特集記事は、「サブノートのデータ・ストレージ」であった。PCカードATAのハードディスクドライブは、130MBクラスの製品の店頭価格が6万円前後であった。この他、PCMCIA SCSIカードや、パラレルポート接続の外付けHDD等が紹介されている。

 パームトップ関連の記事では、Psion 3aのシェアウエアとユーザーグループの紹介記事が掲載されている。また、Moving Pocket LC-8600シリーズの日本語表示が可能となった。しかし、日本語FEPは、まだ対応できていなかった。HP 社のサブノートパソコン、 OmniBook 530の機種紹介と日本語化についての記事も、掲載されている。この頃は、MOは230MBの製品がようやく出てきた頃であり、モデム のスピードは、まだ14400bpsが一般的であった。

 業界関連のニュースとしては、COMDEX/Fall'94 が、入場者19万人、出展社数1500社と、過去最高を記録している。筆者がCOMDEXに行ったのも、この時であった。ノートPCでは、世界一薄いDigital HiNote Ultraが発表された。Appleの「ガリレオ」が消え、代わりに「ザウルス」が日本の標準 PDA となってきた。セガサターンやプレイステーションが相次いで発売され、32ビットゲームマシン戦争が開始されてきたのもこの頃であった。本号には、筆者の「Funku Goods in Korea 龍山電子商街を行く」も掲載された。