■　ＧＯＭＺ−ＬＯＭＯ　ＳＭＥＮＡ　３５　■

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　SMENA 35はSMENA 8Mのバージョンアップ版として1990年に登場した。
文献によれば1990年〜1993年の期間に製造されたことになっているが、ど
うやら現在でも製造は続いているようだ。筆者が所有しているSMENA 35は
1997年製造と思われるものであった。　　　　　　　　　　　　　　　　

　SMENA 35はSMENA 8M譲りのトイカメラ的製品で、8Mよりもボディサイズ
がコンパクトになり、さらに軽量化が図られている。全体から染み出す安
っぽさはSMENA 8M以上であり、ある意味ロシアにおけるトイカメラの完成
形とも思える製品だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　シャッタースピードは8Mと同様６段階設定可能となっている。シャッタ
ースピードの設定は、上面に記載されているお天気マークを見ながら行な
うことになるが、レンズの下にはそれぞれのマークに相当するスピードが
ちゃんと記載されている。ピント調整も、距離表示に加えて人物１名、人
物２名、人物３名、山マーク、∞と絵柄でも表示される。　　　　　　　

　レンズは8Mと同じT-43、40mm／F4.0。絞りはレンズ周囲に設けられたリ
ングを回して設定する。シャッターのチャージは、8Mと同様の機構となっ
ており、レンズ上部に設けられた真っ赤なレバーで行なう。フイルム送り
とシャッターチャージが同期していないことから、簡単に二重露出が出来
てしまうところも、8M譲りの仕様だ。因みに、シャッターをチャージして
いないと、チャージレバーがファインダー視野角の右下に見え、注意を促
すように設計されている。この辺りなど、細かい所に配慮した造りとなっ
ている。