■　ＦＥＤ　ＦＥＤ−２　（Ｔｙｐｅ−ｃ）　■

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　FED社の代表作であるFED-2シリーズは、1950年にプロトタイプが制作さ
れた後、1970年に至る20年間に、実に200万台以上という猛烈な台数が製 
造されたという、ロシアカメラ屈指のベストセラーモデルである。プロト
タイプは1950年に登場したが、実際の量産モデルであるType-aが出たのは
1955年のことだ。このType-aだけでも、製造台数は20万台を越える。　　

　FED2シリーズは連動距離計を内蔵したライカコピーのカメラである。製
造期間が比較的長かったこともあり、この製品には多くの品種が存在して
いる。製造年月日と製品のタイプは、下記の通り。　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　ここに掲載したFED-2は、Type-cである。Type-cはType-bをベースにセ 
ルフタイマーやISOメモリリングを搭載したもので、FED-2の中では比較的
多くの数が発売された。前面に大きく刻印されたキリル文字の「FED-2」 
が迫力だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　元々、FED-2 Type-cには標準でFED-INDUSTAR-26m 50mm／F2.8レンズが 
搭載されていたが、ここに掲載したモデルには、ZORKI用レンズである　 
JUPITER-8、50mm／F2.0を装着している。FED-2 Type-cやType-dは、カメ 
ラ本体の外装の色を変えることができ、黒の他にも赤、青、グレー、緑を
選択することができた。ロシアカメラにしては珍しいオシャレな演出であ
ると言えよう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ここに掲載したFED-2ボディは、新宿の某カルトなロシアカメラ専門店 
にて購入したものだ。購入当時である1999年は、まだFED-2の在庫が大量 
に出回っており、かなり程度の良い個体でも安く購入することができた。
このカメラも実用機として酷使したが、写りはどれも満足の行くものであ
った。