私とモールトンの出会い

初めてモールトンの事を知ったのは、何年前か忘れましたがMONOマガジンに鳥山 明さんがイラスト付きにて解説していたのが最初です。
その頃私はオートバイで草レース活動をしていて、一番好きだったレーサーがスペインは「DERBI WORKS」の90ccレーサーでした。
このマシンの特徴はフレームでした。この頃主流であったアルミモノコックではなくパイプをトラスに組んだもので、まさしくモールトンのバイク版でありました。そんな時期にMONOのイラストを見てしまい、寝ても覚めても「自転車買うならモールトン」と言う風になってしまいました。しかし、値段がとてもじゃないが手がでない・・・・この頃手取り13万の給料だったので、ローンも車で手いっぱいでした。それに自転車に何十万も出せる心境ではありませんでした。(だって250ccのバイクが新車で買えますからねぇ)次第に私の記憶からモールトンの存在は消えていったのであります。


心から離れぬトラスフレーム

それから数年後、レースは怪我のために活動停止しました。これを機に転職して某自動車ディーラーにて請け負い整備士として日銭を稼いでおりました。この頃の通勤の足はYAMAHA SDR200というバイクでした。自転車とオートバイ両刀使いの方なら「やっぱりなぁ」と思われる事でしょう。このSDRというやつはメッキのトラスフレームなのです。しかし時代はアルミモノコックのレーサーレプリカ絶世でした。一部マニアにしか受け入れられず、あっという間に消え去りました。今思えば、心の片隅にモールトンの印象が消えずにいた為にSDRを購入したように思えます。


本物を見た!

ついに来るべき日が来ました。モールトンの現車を見てしまったのです。場所はなぜか家の近所、バイク仲間の知人宅でした。この方は漫画を書く事を生業としており、旧車(特に英国車)にかけてはかなりの通と言う人です。
AJSというバイクを見に行ったんですが、そこにありました!モールトンが!!記憶がさだかではないので型までは覚えていませんが、多分AM−14だったと思いますこの時点では初対面であった為に、「あっ、これモールトンっていう自転車ですね?」「おっ、よく知ってるねぇ」「カッコ良いですね」ぐらいの会話だけでさすがに「乗らせてぇ〜」とは言えませんでした。(笑)


それから10年

それから約10年後、仕事も変わり給料も安定してきて物欲が臨界状態に達していたときのことです。
私の弟がとある自転車屋から一枚のパンフレットを貰って来たのです。弟は結構前から自転車にハマっていていろいろ自転車関係の本などを見せてくれていました。
(といってもBMXでいろんなワザをする系の物ばかりでしたが・・)
このパンフレット、モールトンのではなくてBD1のでした。しかし一目で気に入り現車購入。しばらくぶりに自転車に乗ったこともあってちょっと感動しました。「疲れるけど自転車は面白い」と・・・・

BD1を買いに行ったとき、そのショップでモールトンを久しぶりに見ました。やはりいい!カッコ良い!欲しいぞ〜!!もういてもたってもいられませんでした。弟に「モールトン買おうと思ってんだけど、どこで買ったらいいかねぇ?」と聞くと、バイシクルクラブを引っ張り出してきて「ここがいいんじゃない?」とKOOWHOを教えてくれました。


ついにモールトン購入!

その日私は夜勤入り前にもかかわらず、職場の護国寺駅ではなく目蒲線の武蔵小山駅にいました。そうです!モールトンを買うためにKOOWHOへやって来たのです。お店でモールトンの事を色々教えていただき、AM16を購入する事に決定!完成車よりフレームキットで組んだほうが気に入ったパーツも使えるし、値段もさほど変わらない事も判明しました。

そこで悩んだのが変速機です。デュラエースかカンパニョーロか・・・イタ車ヲタクが長い私(と言っても四輪のハナシ)としては、やはりABARTHやALFAのレーサーたちのアルミホイールで定番の「カンパ」が欲しかったけど、永井さんの「バリバリ街で乗るならデュラのほうがGOOD、見た目&集まりで自慢するならカンパだね」とのアドバイスに、「やはりモールトンはレーサーだからガシガシ乗り回してこそ本物」と言う事に行き着いて「デュラ」に決定。サドルやハンドルは永井さんのセンスにおまかせで組んでいただくことになりました。


そして納車日

私の夜勤明けにあわせて納車してもらいました。お店で永井さんからスペア交換?等のレクチャを受けてついでに輪行袋&グローブ&ゴーグルを買いました。
なぜ輪行袋を買ったかと言うと帰る途中で力尽きたらバス等を利用するつもりだったからです。(情けない・・・)
さあていざ出発〜!!おぉ、やはり速いしデュラのシフト操作は最高に楽だしこいつにして正解だったなぁ〜。しばらくは景色を楽しみながらポタ走行をしました。
さて環七に出ました。ここからはちょっと気合を入れてロードレーサー的な走りをしてみようと思い、びゅんびゅん飛ばしてみました。
そこで改めてビックリ!「速いぞぉ〜、こんなにタイヤがちっこいくせに何でだぁ?」ってな感じでした。出発から約2時間後・・・・・尻が痛い、ものすごく痛いのであります。
実はシートを例の「ボイジャー」にしたのですが、どうも私の尻には合わないようでした。まあサイクルパンツを履いていなかったし、薄手のアーミーパンツだったのも災いしていたようですが・・・・そんなこんなで何とか練馬の自宅へ到着した時にはすでに夜になっていました。


つづく・・・・(次回は会社までの通勤乗車記、AMOM参加記の予定です。)

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